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2010年6月 3日 (木)

展覧会情報 高麗美術館 浅川伯教・巧が愛した朝鮮美術

 木工家で、ものつくりの復活に尽力されている 谷 進一郎さんから展覧会のお知らせがありました。
 浅川伯教・巧 兄弟など、戦前 当時の朝鮮の文化・芸術を愛した人達のことです。
 私事ですが、以前木工家(木戯の会)の友人と韓国光州を訪ねたときのことを思い出しました。案内された無形文化財の金春植氏から浅川兄弟について言葉少ないながら熱くその人と功績を語られ、感動しました。帰国後、浅川兄弟が会員の多い八ヶ岳の南麓(北杜市)で生れ育ったと知り、不思議な縁を感じました。
 (参考) http://www.city.hokuto.yamanashi.jp/hokuto_wdm/html/joy-t/31468104108.html 

おすすめです。

                      * * * 

展覧会情報 高麗美術館 浅川伯教・巧が愛した朝鮮美術

2010年6月12日(土)から8月15日(日)

高麗美術館
京都市北区紫竹上岸町15番地

本展では、浅川兄弟が好んだ木工家具や陶磁、自筆の日記や絵画資料のほか、柳宗悦、富本憲吉などゆかりの品々(出展総数約70点)を写真、書籍とともに展示し、彼らの純朴な視線と朝鮮工芸の魅力を紹介します

http://www.koryomuseum.or.jp/2009/12/2010_612815_1.html

浅川巧(1891~1931)は山梨県の出身で、大正3年に朝鮮に渡りました。
日本の朝鮮植民地支配の時代に、朝鮮の人々に博愛の精神で接するとともに、朝鮮の陶磁器や木工品など工芸品の中に、朝鮮民族文化の美を見い出し、それを日本に紹介しました。
柳宗悦や兄で朝鮮陶磁研究家の浅川伯教(1884~1964)と力を合わせて、京城(現在のソウル)に蒐集した民芸品を展示する朝鮮民族美術館を開館して、朝鮮の人達にもその美しさを知らしめたのでした。
展示品の一部は現在の韓国国立中央博物館に引き継がれています。
また朝鮮総督府の営林署に勤務していて、朝鮮の風土に合わせた緑化にも功績を残しました。
昭和6年に40歳で亡くなりましたが、ソウルの共同墓地にあるお墓は、韓国の人々により守られてきました。
浅川巧が日韓の交流に果たした役割は、あまりにも大きいものがあります。

25年ほど前から、浅川巧の著作集の復刻に始まり、評伝「朝鮮の土となった日本人」が刊行され、出身地の山梨県に兄弟の資料館も開館しましたので、浅川巧についての理解と関心が広がってきました 。

浅川巧は「朝鮮の膳」と「朝鮮陶磁名考」の著作を残していますが、どちらも朝鮮王朝時代の文化が色濃く残る大正から昭和初期に調査された内容をもとに書かれているので、その分野の唯一の原典となっているものです。

浅川巧の評伝「朝鮮の土になった日本人」は草風館から出版されています。
http://www.sofukan.co.jp/books/126.html

浅川巧の著作は「浅川巧全集」(草風館)がありますが、岩波文庫から「朝鮮の膳」 などを収録した「朝鮮民芸論集」が出版されているので、入手しやすくなりましたが、現在は品切れです。
http://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN4-00-381051-1

高麗美術館では6月6日まで「あなたが選んだコレクション名品展」を開催中で、 所蔵品の中から「華角三層チャン」などの名品が展示されています。
http://www.koryomuseum.or.jp/2010/04/2010_201041066_1.html

谷 進一郎(たに しんいちろう)

URL http://www.tani-ww.com/

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