排出量25%削減・・・壁にぶつかっているときには
民主党の鳩山由紀夫代表は9月7日、温室効果ガス排出量を2020年までに90年比25%削減すると明言した。環境団体などから歓迎の意向が示されたが、企業団体などからは産業活動の鈍化や国民への負担の増大などを指摘されて反対されている。
いろいろな反対は現状の経済や技術を前提としており、いまから10年後の社会を予測して語っているかは疑わしい。旧来型の安定志向の臭いがして、想像力が見えない。
これからの集中的な技術開発と新しい産業の発生や社会構造の変化は現在の予測をはるかに上回るものではないか。ちなみに1970年アメリカで制定されたマスキー法は産業界、とくに自動車業界から猛烈に反対されたが、ホンダのCVCCエンジンの開発によってクリアされた。その後の国民の環境意識の変化は目覚しい。
現在、欧米の企業は、民主党の数字程度はすでに織り込み済みで開発にかかっているとか、日本の企業も表向きは反対しているが、じつは準備しているのではないか。
最悪欧米に開発を先行され、規格などを押し付けられる前に、日本の先行する技術に磨きをかけ、国が全力で支援し、この分野で世界のリーダーシップをとることが欠かせない。政治・外交分野で日本は戦後ずっと後れをとって「うつむいて」きたが、いま挽回する大きなチャンスとなるテーマであると思う。
この25%削減は、経済に限らず、[日本人が胸をはって世界に伍していくという大きな「副産物」を得るという大きなチャンス]と捉えたい。日本人のムラ意識を脱皮する意味でも、この政策の中枢に、経済をマクロに捉えられる人、思想家・哲学者の知恵を加えたい。
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