日本海軍 400時間の証言 第一回 開戦 海軍あって国家なし
NHK総合で (9月7日深夜) 9月8日タイトルの再放送が行われた。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/090809.html より
「海軍反省会」。戦後35年が経過した昭和55年から11年間、海軍の中枢・『軍令部』のメンバーが中心となって秘密に集まっていた会合である。70~80代になっていた彼らは、生存中は絶対非公開を条件に、開戦に至る経緯、その裏で行った政界・皇族・陸軍などへの働きかけなどを400時間にわたって仲間内で語っていた。
* * *
いままでなぜ開戦に踏み切ったかの理由が理解できなかった。それは当時米国との国力の差が非常に大きかったし、軍とくに海軍にはその状況に詳しい軍人がいたはずだし、軍国主義者が云々とか言われてもなにか感情的な臭いがしたし、その歯止めが簡単なものだとは想像できなかったから。その疑問が、今回の放送、当時の中枢であった軍令部のかたの語る言葉によって解けた。
それはタイトルの「海軍あって国家なし」 つまり省益だ。
陸軍(省)との競争で、威勢のいいことをいわないと、予算がおりないとか、いう類のことだ。省のことは全力でたたかうが、国のことが忘れている。ことばでは「お国のために」と言っていたのに。
そこには国の中枢でもっとも必要な冷静で徹底的な分析が欠けている。想像力も育たない。感情論に流されていたこと。計画が短期間で、都合の良い情報しか取り上げようとしなかった。
要は「ムラ社会」だ。考えが内向きで、異論反論は排除しようとする。「村」の利益・価値観を最優先とし、「全体」のことは省みない。
「国益よりも省益」の構造が今もまったく変わっていない。恐ろしい。高級軍人(官僚)とともに滅ぶのはご免だ。
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